寺と七夕と雑誌

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部屋とYシャツとわたし、みたいなタイトルにしたかったのだけれど、

寺と七夕と雑誌、ではさすがに無理矢理感が半端なかった。

さて、本日七月七日はご存知の通り七夕なのだが、北のはずれの七夕は、世の中の人が想像する七夕とはたぶんちょっと違っている。

大体は梅雨のせいで心眼でしか見ることができない天の河を、曇り夜空越しに想像しながら織姫彦星の逢瀬に思いを馳せ、願い事を短冊に書きつけて笹に吊るし、「ささのは、さーらさらー、のきばにゆれる。おーほしさーま、きーらきら、きんぎんすなご」みたいなテーマソングを歌って終了、みたいな地味な行事が七夕だと思ってはいないだろうか。

だとしたらそれは大間違いだ。

北のはずれのわらべたちにとって、七夕は戦争である。

小学校や幼稚園では「今年の七夕は夕方5時からです。それまでの抜け駆けは禁止です」などというプリントが保護者に配られる。

スーパーマーケットでは、もうすぐ七夕です準備を万全に、という特設コーナーが作られている。そこに山積みになっているのはお菓子お菓子お菓子。

そう、北のはずれで七夕と言ったら、浴衣を着たわらべたちが、お菓子をゲットするために、家々を巡り巡って練り歩くというハロウィンのようなイベントなのである。

わらべたちは、玄関に笹が飾ってある家に突撃する。笹が飾っている家がお菓子をくれる家なのである。全然見知らぬ人の家でも容赦なくインターフォンを押す。

さてそこでハロウィンなら「トリックオアトリート!」となるのだが、北のはずれでは違う。何せ今日は七夕なのだ。お菓子をもらうには七夕の歌を歌わないといけない。

「たけにたんざく、たなばたまつり。おおいにいわおう、ロウソクいっぽんちょうだいな」

昔はこの歌詞の通り、家の人はわらべたちにロウソクを渡していたらしいのだが、今ではお菓子になってしまった。わらべたちにとって七夕はお菓子の荒稼ぎ時なのである。

だがスーパーで買いだめをするにしても家々のお菓子の量には限りがある。

どれだけ早く多くの家を回るかで、収集できるお菓子の量に大きな差ができてしまうことは容易に想像できよう。学校から抜け駆け禁止令が出るのもうなづける話なのだ。七夕はわらべたちのお菓子戦争なのである!

と、まあ噂には聞いていたんだけれど、本当にこれが21世紀に入った今でも現役バリバリの行事であることに最初は驚いた。さすが田舎である。

次に驚いたのは、結構地元の商店が店の玄関に笹を飾ることによって、この行事を集客に利用していること。

子どもたちは笹を目印に自動的にやって来るのだが、幼児たちだと保護者である親も同伴している。お店にとっては、当日は売上にはならないかもしれないけど、うちの店は地域行事にも貢献してるんです、こんな商品も取り扱ってるんです、今度買いに来てね、というアピールをするには格好の機会なのだ。

なので北のはずれでは全国チェーンのコンビニなんかでも笹を飾ってる。コンビニでは廃棄処分行きになったポケモンなどのキャラクター雑貨の残骸なんかを配っており、わらべたちにもすごい人気だ。

というわけで、本題に入ろう。当然ながら私は思うわけですよ。

うちの本屋でも何とかしてこの七夕イベントに参加できないだろうか、と。

でもお菓子を大量に買ってくるようなお金は当然のことながら無い。何かタダであげられるようなものはないものかと。

 

 

1年後に

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このご時世だし、もう新規で出店できる機会なんて無いかなと思ってたので、こういう機会を与えていただいて本当に感謝。

今日はいい天気だったので、1年後に店をOpenしようと思っている場所へ下見に。

緑の木々と花咲く草原と青い空・・・って、商売には決して向いていなさそうな場所ではあるのだけれども、こんなに自然が感じられるところに店を建てられるなんて、逆になかなか凄いこと。

これから1年いろんなことが起こると思うけれども、頑張ろう。